Illustrator画像配置！リンクと埋め込みの違い

Illustratorでの画像配置方法には、「リンク」と「埋め込み」の2つの選択肢があります。
それぞれの特徴を理解することで、作業の効率化とトラブル回避が可能です。

リンクのメリット・デメリット

リンク配置とは、Illustratorのレイアウトファイルに実画像そのものを取り込まずに、別に保存されている画像ファイルを参照する方法です。

この方法のメリットは、Illustratorファイルのサイズを軽く保てる点です。
これにより、PCの負荷が軽減するためスムーズに作業することができます。
また、リンク元の画像を編集すると、自動的にIllustrator上の画像も更新されるため、更新漏れを防げます。

しかし、リンク配置には「リンク切れ」のリスクがあります。
これは、Illustratorファイルを別のPCに移動した際に、リンク画像を一緒に移動しなかった場合に発生するトラブルです。

ところで、Illustratorには「パッケージ」機能があり、これを利用することでリンク画像を収集できますが、オリジナルとは別にコピーが作成されるため、オリジナルに修正があっても反映されないこと、さらに、リンクファイルに配置された画像（孫ファイル）は収集されないということには注意が必要です。

リンク切れを防ぐためには、Illustratorファイルとリンク画像を同じフォルダにまとめて管理することが重要です。

埋め込みのメリット・デメリット

埋め込み配置とは、画像ファイルをIllustratorのレイアウトファイルに実画像として読み込んで配置する方法です。

この方法のメリットは、リンク切れのトラブルを防げる点です。
特に印刷データの入稿時にはリンク切れが頻発するため、埋め込みを推奨する印刷会社は多いです。
すべての画像を埋め込むことで、ファイル管理が容易になります。

しかし、埋め込みにはデータ容量が大きくなるというデメリットがあります。
これにより、PCへの負荷がかかるため、作業効率や時間に影響が出る場合があります。
また、画像を更新する際には、再度埋め込みを行う必要があり、更新漏れが起きやすい点にも注意が必要です。

画像リンクと埋め込みの選び方

デザイン制作において、リンクと埋め込みの使い分けは重要です。
効率的な作業進行とトラブル防止の観点から、最適な選択方法を考えてみましょう。

1. 校了まではリンク配置

   制作中の段階では、リンク配置で作業を進めた方がよいでしょう。
   リンク配置により、画像の修正や差し替えが容易になり、ファイルサイズも軽く保てます。
   これにより、PCの動作がスムーズになり、作業効率が向上します。
   特に、デザインの変更が頻繁に発生する場合には、リンク配置が非常に便利です。

2. 入稿時の埋め込み

   デザインが完成し、印刷データの入稿時には、埋め込みを行うことが有効です。
   リンク切れのトラブルを防ぐため、埋め込みを推奨している印刷会社も多いです。スムーズなデータの受け渡しが可能になります。
   埋め込みを行うことで、データの一貫性を保ち、品質の高い印刷物を提供できます。

もっとも、入稿についてはPDFでの入稿が一番望ましいので、特に指定がなければPDF（PDF/X1aもしくはPDF/X4）を書き出して入稿する方がスムーズです。

まとめ

Illustratorでの画像配置には、リンクと埋め込みの2つの方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、適切に使い分けることが重要です。

校了までの制作の段階ではリンク配置を行い、入稿時には埋め込みを行うことで、効率的な作業進行とトラブル防止が可能になります。

クライアントや印刷業者の指示に従い、最適な方法を選択することで、高品質なデザインと印刷物を実現しましょう。