Webデザイナーが印刷物を手がけるときに知っておきたい「デザインシステム」の基本と応用
kaneko
「このバナーとチラシ、雰囲気がちょっと違うね?」「Webでは整っていたのに、紙にしたら印象がバラバラに…」
そんな声が、Web制作に携わる方から聞かれることがあります。
Webと印刷物――メディアは違っても、「ブランドイメージを統一する」ことはとても大切です。
とはいえ、RGBとCMYKの色の違い、文字の可読性、余白の扱いなど、Webと紙では意識すべき点がいくつもあります。
そこで注目したいのが、「デザインシステム」の考え方です。
もともとはWebの世界で広まった概念ですが、印刷物の制作にも応用することで、メディアを超えた一貫性を実現できます。
この記事では、Webデザイナーが印刷物を制作する際に知っておきたいポイントとして、「デザインシステム」の考え方を軸に、紙ならではの注意点とともに解説します。
目 次
そもそも「デザインシステム」ってなに?
デザインシステムとは、デザインに関するルールやパーツ(色、文字、ボタン、画像など)を共通化して整理・共有する仕組みのことです。
たとえば、
- ブランドカラーの統一
- 見出しや本文フォントの使い分け
- レイアウトやパーツの繰り返し利用(モジュール化)
などを、プロジェクトやチーム全体で一貫させることで、制作物の見た目や印象を統一できます。
Webの現場では、Figmaなどでコンポーネントを管理したり、ガイドラインをNotionでまとめたりしているケースが多いでしょう。
実は印刷業界にも、この考えに近いものがあります。たとえば、企業が発行する「ブランドガイドライン」や、制作現場で共有される「レイアウト指示書」などがそれにあたります。
Webと印刷の違いをふまえた「デザインシステム」活用術
印刷物のデザインでも、デザインシステムを意識すれば、Webとの一貫性を保ちつつ、紙媒体ならではの表現ができます。ただし、以下のような点に注意が必要です。
■色の再現性(RGBとCMYK)
WebではRGBカラーが基本ですが、印刷ではCMYKに変換されます。
鮮やかなブルーやネオンカラーなど、Webでは美しく見えても、紙に印刷すると沈んだ印象になることも。
→ デザインシステムで使うカラーパレットは、印刷での再現性も確認しておくと安心です。
できれば特色(DICやPANTONE)で指定したり、その特色のCMYK値を把握しておくなど、紙用に最適化しましょう。
また、「黒」の扱いにも注意が必要です。
RGBの黒をCMYKに変換すると、CMYK各色は100%に近い数値になりますが、このままで印刷するとインキの量が多すぎるため「裏写り」して汚れが発生します。
総量300%(K100%+CMYの合計200%)を上限にしましょう。
■フォントと可読性
WebではGoogle FontsやWebフォントが自由に使えますが、印刷ではフォントのライセンスや読みやすさに配慮が必要です。
特に小さい文字は、画面上では問題なくても、紙になると潰れて読みにくくなることもあります。
→ デザインシステムに「紙面用フォントのバリエーション」や「最小文字サイズのルール」を追加しておくと◎。
■レイアウトの柔軟性
Webでは可変グリッドやスクロールを前提にレイアウトが組めますが、印刷物ではA4やB5など物理的な紙サイズが基準です。
→ デザインシステムに「用紙サイズ別のグリッドテンプレート」や「マージン設定」も組み込んでおくと、紙面でも統一感が保てます。
また、断裁する事を想定した「塗り足し」や、断ち切れしない余裕ある紙面をイメージしておきましょう。
■素材の解像度と仕上がり
画面では72〜144dpiでも十分ですが、印刷には300dpi程度の高解像度が必要です。
「Web用の画像を流用したら粗くなった」というのはよくある失敗です。
→ デザインシステム上で「画像の解像度ルール」「拡張子」「印刷用の保存形式(.psdや.tifなど)」を整理しておくと、紙面でも美しく仕上がります。
Webデザイナーが印刷物を手がけるメリットと注意点
デザインシステムを活用すれば、Webデザイナーでも紙媒体の制作にスムーズに取り組むことができます。
■ブランドの世界観を紙でも再現できる
チラシやパンフレット、パッケージなど、Web以外の接点でもブランドのトーンを統一できることで、ユーザーに強く印象づけられます。
■印刷会社や社内との連携がしやすくなる
デザインルールやスタイルを共有しておけば、印刷会社や営業担当とのやりとりもスムーズに。
「あの案件と同じ見た目で」「ここの文字、サイズはこれで」など、具体的な指示が出せるようになります。
■紙ならではの表現も活かせる
特殊紙・箔押し・型抜きなど、Webにはない「触れるデザイン」の魅力を加えられるのも、印刷ならでは。
これらを含めてデザインシステムに反映できれば、紙とWebの両方で印象的なブランディングが可能になります。
まとめ
Webデザイナーが印刷物を手がける際には、色・フォント・解像度など、紙ならではの注意点があります。
しかし、「デザインシステム」の考え方をうまく取り入れれば、紙とWebをまたいだ一貫したデザインが実現できます。
私たちは、印刷物の制作を通じて、ブランドイメージの統一や情報の整理をお手伝いしています。
チラシやパンフレット、パッケージなど、Webとの一貫性を意識した紙のデザインをご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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