エンボス加工と擬似エンボスの違いとは?印刷におけるメリット・デメリットを比較
kaneko
印刷物のデザインに、高級感や独特の質感を付与する加工技術として、エンボス加工と疑似エンボス加工があります。
どちらも立体的な表現が可能です。
しかし、その手法や仕上がり、そしてコストや納期は大きく異なります。
これらの加工方法の違いを理解することは、デザインの幅を広げる上で非常に重要です。
そこで今回は、エンボス加工と疑似エンボス加工の具体的な違いを比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
これにより、最適な加工方法を選択する際に役立つ情報を提供します。
それでは、エンボス加工と疑似エンボス加工の深層へと迫っていきましょう。
目 次
エンボス加工と擬似エンボスの違い
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工程の違い
エンボス加工は、凸版と凹版の間に印刷物を挟み込み、強い圧力をかけて紙そのものに凹凸を付ける物理的な加工です。
そのため、専用の型が必要となり、型作成に時間とコストがかかります。一方、疑似エンボス加工は、特殊なニスを用いた印刷工程だけで凹凸感を表現する加工です。
印刷と同時に加工が完了するため、別工程は不要です。 -
コストの違い
エンボス加工は、専用の型作成費用が必要なため、初期費用が高額になります。
また、型を使用するため、少量生産には不向きで、印刷部数が増えるほど単価は下がりますが、依然として疑似エンボス加工よりも高コストです。
疑似エンボス加工は、印刷工程に追加でニスを使用するのみなので、エンボス加工に比べてコストを抑えられます。
特に、大量生産の場合にはそのコストメリットが顕著に現れます。 -
表現できる範囲の違い
エンボス加工は、紙を物理的に変形させるため、比較的厚手の紙に適しており、大きな文字や図柄の表現に向いています。
しかし、繊細な表現や小さな文字、複雑なデザインには向いていません。
一方、疑似エンボス加工は、ニスの特性を利用して表現するため、繊細なデザインや小さな文字、複雑な模様も再現可能です。
紙の厚さにも比較的制約がなく、表現の幅が非常に広いです。
擬似エンボスとは。その仕組み
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ニスとUV硬化の役割(擬似エンボス加工の場合)
擬似エンボス加工では、印刷物の上に「はじきニス」と「光沢ニス」の2種類のニスを重ねて使用し、光と影、質感の差で立体感を演出します。
まず、光沢を付けたくない部分(=マットにしたい部分)に「はじきニス」を印刷します。
このはじきニスには後から塗布するニスを弾く性質があり、そこに重ねる光沢ニスがのらないように設計されています。次に、全体に「光沢ニス(UVニス)」を塗布します。
すると、はじきニスが塗られている部分では光沢ニスが弾かれて留まらず、マットな質感が残ります。
一方、はじきニスがない部分では光沢ニスが定着し、ツヤのある滑らかな仕上がりになります。最後に、紫外線(UV)を照射して光沢ニスを硬化させることで、表面にマットと光沢のコントラストが生まれ、視覚的・触覚的に凹凸があるように見える擬似エンボス表現が完成します。
この加工では、ニスの種類や塗布の工夫によって、繊細な模様やロゴを立体的に際立たせるなど、高級感のある表現が可能です。
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様々な表現方法
はじきニスの塗布量や、光沢ニスの種類を変えることで、凹凸の大きさや、マットな質感、光沢の強さを調整できます。
また、はじきニスを塗布する範囲を変えることで、様々なパターンやデザインを表現できます。
例えば、ロゴマークだけをエンボスのように立体的に表現したり、全体に細かい凹凸を施して独特のテクスチャを作ったりと、デザインの自由度が高い点が大きな特徴です。
エンボスと擬似エンボスのメリットデメリット
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エンボスのメリット
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高級感がある
物理的な凹凸により、独特の高級感と立体感を演出できます。
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触感を楽しめる
凹凸によって、視覚だけでなく触覚にも訴えかけることができるため、ユーザーに特別な体験を提供できます。
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耐久性が高い
紙そのものに凹凸を作るため、耐久性があり、長期間にわたって品質を維持できます。
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エンボスのデメリット
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コストが高い
専用の型が必要なため、初期費用が高額になります。
また、型を作るのに時間がかかるため、納期が長くなる傾向があります。 -
表現に制限がある
繊細なデザインや小さな文字、複雑な模様には不向きです。
また、紙の厚さにも制約があります。 -
環境負荷が大きい
型作成や加工工程において、環境への負荷が比較的大きくなる可能性があります。
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擬似エンボスのメリット
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コストが低い
エンボス加工に比べて、製造コストを抑えられます。
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納期が短い
別工程が不要なため、納期を短縮できます。
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デザインの自由度が高い
繊細なデザインや複雑な模様も表現可能です。
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環境負荷が少ない
特殊なニスを使用しますが、エンボス加工に比べて環境への負荷を低減できます。
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擬似エンボスのデメリット
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エンボス加工ほどの立体感はない
物理的な凹凸ではないため、エンボス加工ほどの強い立体感や高級感は得られません。
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紙の材質によっては表現が難しい場合がある
紙の種類によっては、ニスの定着性が悪く、仕上がりが不十分になる可能性があります。
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まとめ
エンボス加工と疑似エンボス加工は、それぞれにメリット・デメリットがあります。
エンボス加工は、高級感と耐久性を求める場合に適していますが、コストと納期が課題となります。
一方、疑似エンボス加工は、コストと納期を抑えつつデザインの自由度を高めたい場合に最適です。
それぞれの特性を理解し、デザインの意図や予算、納期などを考慮して、最適な加工方法を選択することが重要です。
どちらの加工方法も、印刷物の魅力を高める有効な手段であることは間違いありません。
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