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印刷豆知識

リッチブラックとは何かについて解説します!

kaneko
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突然ですが、「この世にある色の数」は、いくつくらいだと思いますか。
結論としては、明確な答えはありません。

色を明確に数えられないのは、色には明確な境界線が存在しないからです。
例えば、同じ黒色でも、「明度」が違うだけで、与える印象が大きく変わります。
今回は、普通の黒色ではないリッチブラックについて解説します。
是非、この記事を参考に、ご自身にとって理想の黒色を見つけてください。

リッチブラックとは

リッチブラックの定義について解説する前に、「印刷物における色の仕組み」について軽くご紹介します。
印刷では「シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック」の4つの色を組み合わせることで、全ての色を表現します。
理論上は、シアンとマゼンタ、イエローの3つの色で全ての色を表現できますが、インキを使用する場合は、完全には全ての色を表現できるわけではありません。
そこで、それを補うためのブラックを組み合わせることで、全ての色を表現しています。

リッチブラックの定義

リッチブラックとは、ブラック以外の色も組み合わせて表現した黒色のことを指します。
例えば、シアンを30%、マゼンタを30%、イエローを30%、ブラックを100%のように、ブラック以外の色も含めて表現したものは全てリッチブラックと呼びます。
言葉通り「豊かな(リッチ)」ブラックということです。

リッチブラックの効果

理論上、黒色を表現する際は、ブラックだけで物足ります。
しかし、リッチブラックのように他の色も組み合わせて黒色を表現することには、以下の理由があります。

1つ目は、ブラックだけで表現する黒色よりも重厚感が生まれるからです。

2つ目は、ブラックだけで表現してしまうと、用紙の色が透けてしまう可能性があるからです。

リッチブラックを活用する際の注意点

1つ目は、版ずれが起こりやすいことです。
版ずれとは、絵柄を表現するために合わせる4色の版がズレてしまうことです。
特に、小さな文字や細かい文字は版ずれを起こしやすいので注意しましょう。

2つ目は、インク量が多くなることです。
当然ながら、リッチブラックにするとブラックだけで表現する場合よりもインク量が多くなってしまいます。
印刷時にインキが乾きづらく、裏写りするなど汚れが発生しやすくなるため注意が必要です。

3つ目は、紙選びに慎重にならないといけないことです。
印刷用紙によっては、リッチブラックの魅力が最大限まで引き出されないことがあります。
そのため、リッチブラックとの相性が良いコート紙やマットコート紙のような紙を採用することがおすすめです。

まとめ

今回は、リッチブラックとは何かについて解説しました。
リッチブラックとは、黒色のインクだけで表現する黒色ではなく他の色も組み合わせて表現する黒色を指します。
リッチブラックを使うことで、重厚感を出せることや、用紙の色を透けさせない効果があります。
ただ、リッチブラックを使用する際の注意点もあるため、事前にそれらを把握しておきましょう。


 

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