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印刷豆知識

文字入力で注意したい部首漢字

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「人」と「⼈」、一見同じように見えるこの2つの文字。
実は、コンピュータの中では全く異なる文字として扱われています。

それぞれの文字コードを見てみると、前者は「U+4EBA」で、一般に「ひと」と入力して変換される文字ですが、後者は「U+2F08」という、前者とは違うコードが割り当てられています。

なぜ違うコードが存在するのでしょうか?

このことについて解説します。

目 次

なぜ部首漢字に注意が必要なのか?

これは「部首漢字」と呼ばれています。

そもそも、部首漢字とはなんでしょうか。

部首漢字は、漢字の成り立ちや構造を研究するために作られたもので、現代のコンピュータが扱う文字コードとは異なる歴史的な背景を持っています。特に、「康煕字典」という漢字辞典に収められた部首である「康煕部首」は、その代表的な例です。

康熙字典は、清朝の康熙帝の時代に編纂された大規模な漢字辞典です。
約4万7000字を収め、漢字の構成要素である康煕部首を基に字を分類しています。
この字典は、後の漢字辞典の基礎となり、現在でも広く利用されています。また、康煕部首は214種類の部首からなり、漢字を体系的に学ぶ上で重要な役割を果たしています。

康煕部首は漢字の構造を詳細に分析するために作られたものなので、一見同じように見える漢字でも、通常の漢字として扱われる文字と、部首として扱われる文字で異なる文字コードが割り当てられているのです。

文字パレットの康煕部首領域

サービス内容

事例紹介

文字コードが異なるとどのようなことが起こる?

文字コードが異なると、以下のような問題を引き起こす可能性があります。

  • 検索性の低下

    ウェブサイトやデータベースで検索する際、意図した文字が見つからない可能性があります。
    例えば、ファイル名や文書内容にこれらの文字が使われている場合、「人(ひと)」を含む文字列で検索しても、部首漢字の「人」を含むファイルや文字列は検索結果に含まれないことがあります。

  • データの破損

    特定のソフトウェアや環境では、文字コードの変換が正しく行われない場合があります。
    例えば、ExcelファイルをPDF変換した時に、一部の文字が部首漢字に変わってしまうことがあります。

部首漢字混入の具体例:Mac版ExcelとQuartz

Mac版Excelで「メイリオ」フォントを使用し作成したファイルをMac OSの標準機能によるPDFで変換すると、一部の文字が部首漢字に置き換わってしまうということがあります。

これは、Mac OSのPDF変換エンジンである「Quartz」が一部の文字コードを正しく認識できないことが原因と考えられます。

まとめ

部首漢字は、一見すると同じ文字に見えても、コンピュータの中では異なる文字として扱われるため、些細な問題のように思えますが、大きなトラブルに繋がる可能性があります。
ビジネス文書を作成する際はもとより、印刷物の原稿として用意する際には注意が必要です。

この記事が、読者の皆様の文書作成に少しでもお役に立てれば幸いです。


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