写植とは?その歴史とともに解説します!
kanekoデザインや印刷業界に長く携わっている方から「写植」という言葉を耳にしたことはありませんか?
この言葉が何を意味するのか、その歴史や用途、現代での意義についてご紹介します。
今回は「写植」という言葉に焦点を当てます。ぜひ参考にしてください。
目 次
写植の基本
まずは写植の基本について解説します。
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写植とは何か
正式には「写真植字」と呼ばれるこの技術は印刷そのものではなく、文字組版の方式です。
金属製の活字を用いるのではなく、光学的な手法で文字を組むことが特徴です。
この技術により、文字の詰めや変形が柔軟に行えるため、グラフィックデザインにおいても多大な影響を与えました。 -
活字との違い
活字と写植はいずれも文字組みの技術ですが、その手法と有用性には大きな違いがあります。
活字は金属製で、一度型を作ってしまうとその形状は固定されます。しかし、写植は光学的な手法を用いるため、文字の詰めの調整や拡大・縮小、さらには平体・長体などの変形が容易に行えます。
この柔軟性が、写植が業界で広く受け入れられた理由の一つです。 -
グラフィックデザインへの影響
写植の柔軟性は、グラフィックデザインにおいても多大な影響を与えています。
特に1960〜70年代には、新たなタイポグラフィと書体デザインが次々と誕生しました。
この時代の革新的なデザインは、今日でも多くのクリエイターに影響を与えています。
電算写植とは?
電算写植は、これまで工学的な手法であった写植からどのような変化をもたらしたのでしょうか。
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電算写植の登場
「電算写植」とは、これまで手動で書体を変えていた写植から、コンピュータにより写植を自動化したシステムです。溶かした鉛で作られた活字が「ホットタイプ」と呼ばれたのに対し、電算写植は「コールドタイプ」とも呼ばれました。そしてこのシステムは、略して「CTS(Computer Typesetting System)」とも呼ばれ、その登場によって写植はさらに進化を遂げました。
手動での写植とは異なり、電算写植では多様な書体や文字サイズの調整が容易になりました。 -
高速な入力
電算写植のシステムは、熟練したオペレータによっては、現代のカナ漢字変換キーボードの数倍の早さで入力が可能です。この高速な入力能力が、電算写植が業界(主に印刷会社・新聞社)で広く採用される一因となりました。しかし、まだまだ組版に特化したシステムであったため、文字と画像を同時に自在に扱えるDTPが登場することで、次第に役目を終えることになります。
まとめ
今回は、写植とその進化形である電算写植について解説しました。
写植は印刷業界だけでなくグラフィックデザインのタイポグラフィにも多大な影響を与えています。
その柔軟性と進化性が、今日でも多くのクリエイターにとって重要な要素となっています。
この記事を通じて、写植という言葉、そしてその背後に広がる多彩な世界について、少しでも知っていただければ幸いです。
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