メトリクスとオプティカルとは?Illustrator・InDesignの文字組み
kaneko
IllustratorとInDesignを使用する際に、文字組版において「メトリクス」と「オプティカル」という用語を目にすることがあるかもしれません。
これらの機能は、文字間の調整、つまりカーニングを自動的に行う機能ですが、その仕組みや結果には違いがあります。
今回は、両機能の違いを解説します。
目 次
IllustratorとInDesignにおける「メトリクス」「オプティカル」の機能と違い
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メトリクスの仕組みと効果
メトリクスは、フォント自体に埋め込まれた情報に基づいてカーニングを調整する機能です。
各文字ペアの最適な間隔がフォントデザイナーによって事前に計算されており、ソフトウェアはその情報に従って文字間隔を自動調整します。
このため、フォント本来のデザイン意図を尊重した正確で安定した文字組版を実現できます。
フォントによって用意されているペアカーニングの情報量に違いがあり、情報が少ないフォントでは、メトリクスによる調整の効果が限定的になる場合もあります。
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オプティカルとメトリクスの違い
オプティカルは、ソフトウェアが文字の形状を分析し、視覚的に最適な間隔を自動的に判断してカーニングを調整する機能です。
フォントに埋め込まれた情報に依存せず、ソフトウェアのアルゴリズムによって文字間隔が決定されます。
そのため、フォントの種類を問わず、比較的均一な結果を得ることができます。
しかし、メトリクスと比較すると、文字間隔の調整が機械的になり、フォントのデザイン意図を十分に反映できない場合もあります。
特に、独特なデザインのフォントでは、意図しない結果になる可能性があります。 -
メトリクスとオプティカルの使い分け
InDesignとIllustratorでは、どちらもメトリクスとオプティカルの機能が提供されていますが、それぞれのソフトウェアの特性を考慮して使い分けることが重要です。
InDesignは組版に特化したソフトウェアであるため、メトリクスを用いた正確な文字組版が求められる場面が多いです。
一方、Illustratorはイラスト制作にも用いられるため、オプティカルを用いて視覚的なバランスを優先するケースも考えられます。
最終的には、デザインの意図やフォントの特性、そして仕上がりの精度を考慮して適切な機能を選択する必要があります。
OpenTypeフォントとの連携
OpenTypeフォントは、高度な文字組版機能をサポートするフォント形式です。
メトリクスとオプティカルの機能は、OpenTypeフォントと連携することでより効果を発揮します。
特に、プロポーショナルメトリクスはOpenTypeフォントの機能の一つであり、文字の幅や仮想ボディを考慮したより高度な自動カーニングを実現します。
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プロポーショナルメトリクスとOpenType
プロポーショナルメトリクスは、OpenTypeフォントのGPOSテーブル(グリフ配置テーブル)に記録された情報に基づいて、文字間隔を調整します。
これは、単なる文字ペアの情報だけでなく、文字の幅や形状といった様々な要素を考慮した、より洗練されたカーニングを実現します。
特に、和文フォントにおいては、文字の幅のばらつきを考慮した調整を行うため、より自然で読みやすい文字組版に貢献します。
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メトリクスとオプティカルのOpenType設定
OpenTypeフォントを使用する際には、メトリクスとオプティカルのどちらの機能を使用するか、あるいはプロポーショナルメトリクスを有効にするかを設定する必要があります。
ソフトウェアの設定画面で、これらの機能を選択することで、文字組版の精度や視覚的なバランスを調整することができます。
設定によって、仕上がりの印象が大きく変わるため、それぞれの機能を理解した上で適切な設定を行うことが重要です。
実践的な活用方法と注意点
メトリクスとオプティカルは、文字組版作業の効率化に大きく貢献する機能ですが、それらを適切に使いこなすためには、それぞれの機能の特性を理解し、デザインの意図に合わせた使い分けが不可欠です。
例えば、正確な文字組版が求められる書籍などの組版にはメトリクスが適しており、一方、デザイン性を重視するポスターなどではオプティカルが有効な場合があります。
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メトリクスとオプティカルを使いこなすためのコツ
メトリクスとオプティカルを効果的に活用するためには、まず、それぞれの機能の特徴を理解することが重要です。
メトリクスはフォント本来の設計に基づいた正確なカーニングを提供しますが、フォントによっては情報が不足している場合もあります。
オプティカルはフォントに依存しない汎用性の高い機能ですが、結果が必ずしも視覚的に最適とは限りません。
そのため、最終的には、プレビュー機能などを活用し、実際に調整された文字組版を確認しながら、最適な機能を選択することが重要です。
まとめ
今回は、IllustratorとInDesignにおける「メトリクス」と「オプティカル」の機能について、それぞれの仕組みや違い、そしてOpenTypeフォントとの連携について解説しました。
これらの機能は、文字組版の効率化に役立つ一方で、その特性を理解した上で適切に使い分けることが重要です。
デザインの意図やフォントの特性、そして仕上がりの精度を考慮し、最適な機能を選択することで、より洗練された文字組版を実現できます。
それぞれの機能の特性を理解し、デザインの意図に沿った使い分けを行うことで、より質の高いデザインを作成できるでしょう。
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